東京ラーメン職人物語: アイバン・オーキン

東京ラーメン職人物語: アイバン・オーキン

チャーシューにスープ、麺の素晴らしさから、東京でラーメン店を営むラーメン職人アイバン氏はラーメンの再興者と賞賛されている
ramen ivan orkin making it in japan
ラーメン職人アイバン・オーキン。
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人物: アイバン・オーキン、47 歳、アメリカ人

夢: 日本のラーメンから忘れ去られた風味を蘇らせること

ramen ivan orkin making it in japanFish-based soup stock yet brimming with savoriness.

特別なラーメン 

ニューヨーカーのアイバン・オーキン氏は単に日本でラーメン屋を経営する物珍しい外国人ではない。先日、世田谷区にオープンした 2 店舗目となるアイバンラーメン Plus からも窺い知れるだろう。 「自分はシェフであって、ファーストフードメーカーではない」、というのがアイバンさんの信条だ。

その証拠に、アイバン氏は 11 月初めにカリフォルニアで開催される World of Flavor に参加するため、自身が経営するアイバンラーメンとアイバンラーメン Plus を少しの間離れることとなる。World of Flavor と言えば、世界料理の王道を紹介する恒例の国際料理フォーラムである。 

1993 年に Culinary Institute of America を卒業したアイバン氏は、蕎麦にうどん、ラーメンに始まり、寿司に天ぷら、懐石まで日本の伝統料理を伝える日本人ばかりの料理界のなかで唯一のアメリカ人と言えるのかもしれない。 

「非常に光栄に思います。 たまたまラーメンという結果になっただけで、クリエイティブな本物の料理を作り上げるシェフであることに変わりありません。 それがラーメンのあるべき姿だと思うのです。」とアイバン氏が話す。ラーメンと日本への熱意に押され 2003 年に来日を果たすまで、アイバン氏は Bobby Flay 氏の Mesa Grill や、 Andre Soltner 氏の Restaurant Lutece といったキッチンでシェフとしての経験を積んでいる。 

ニューヨーク仕込み

「日本料理のなかでも対等な立場に立てるラーメンの世界に入ることを決めたのは良い決断だったと思います。蕎麦、うどん、寿司といった日本料理は決まったやり方しか受け入れられませんが、 ラーメンは違います。」とアイバン氏は話す。彼が初めて日本料理に出会ったのは 10 歳の頃。アルバイトをしていたニューヨークの寿司バーであった。 

ramen ivan orkin making it in japanIvan Ramen Plus seats 16 ramen lovers.

事実、東京だけでも 9,000 軒以上が軒を乱立する日本のラーメン界では、トマトソースラーメンやクリープスープラーメン、グリーンカレーラーメンといった新フレーバーのほか、付け麺バージョンの冷やしラーメンも登場している。さらに、もはやどのカテゴリーに当てはまるのかさえ不明なラーメンバーガーまで発案されているほど。

日本のラーメン店の多くは旨味と風味を引き出すため、スープを作る際、大量の脂肪と塩に頼っているとアイバン氏は話す。

そんな現実から、アイバンさんは時間をかけて煮込んだチキンスープにぴったりの自家製麺を楽しめるアイバンラーメンを 2007 年にオープンした。 醤油、塩、みそ、つけ麺、まぜ麺など風味の違うラーメンに合わせ、スープに麺が絡み合うよう形の違う麺が使われている。 

「スープが麺にしっかり絡んでいるのが理想です。」とアイバン氏。 全く新しいメニューが楽しめるアイバンラーメン Plus では、スープストックに肉を使っていないのが特徴である。にも関わらず、スープは旨味で溢れている。 そんなスープの秘密は、北海道産の魚と昆布ダシだ。 

ramen ivan orkin making it in japanIvan Ramen Plus opened late September.

世界の味

食べ放題の漬物、ニンニク、エシャロットといった薬味を自慢げにテーブルに並べる他のラーメン店と違い、アイバンラーメンのテーブルに置かれているのは白コショウのみ。顧客が挽いて、新鮮な風味をラーメンと共に楽しむことができる。 さて、同店のラーメンは「普通」ではない。 

特性醤油が特徴の「スペシャルラーメン」はしっかりした味わいながらも塩分控え目。レモンガーリックオイルでアクセントを効かせたラーメンには、パーフェクトな温泉卵に加え、独自の製法で肉汁を閉じ込めたとろけるチャーシューが乗っている。 

全穀粉で作った平麺は、スムーズな喉越しと適度な堅さが楽しめる。 

アイバン氏は、このスペシャルラーメンと共に、爽やかな梅酢風味の冷やしラーメンを手に World of Flavor の舞台に降り立つ予定である。 

さらに、チーズ天国と言わんばかりに 4 種のチーズが入ったまぜ麺や、野菜たっぷりの豆乳スープラーメンも店内では楽しめる。 

ramen ivan orkin making it in japanTicket to "slow food served fast."

女性のためのラーメン

「自分が食べたい料理しか作りません。」と、あっさり系ラーメンの再興者と称されるアイバン氏が話す。 

ライスやデザートも欲しい別腹族のために、お店ではミートボールトマト飯やアイスクリームも提供されている。 

アイバン氏のラーメン店は一般的なラーメン店と違い、家族客にもお勧め。年齢に関係なく女性客でも気軽に入れる空間が魅力の店舗では、スローフードとしてのラーメンを素早く提供してもらえることだろう。